東京高等裁判所 昭和33年(ツ)112号 判決
所論慣習の存在はこれを主張する当事者においてその立証責任を負担すべき事項であつて、これを認めるに足る証拠がない場合に裁判所が職権により進んでこの点の証拠調をなすべき職責を負うものではない。民事訴訟法第百三十一条は裁判所が訴訟関係を明瞭ならしめる為必要ありと認める場合に同条所定の処分をなしうることを認めたに止り右の如き職権による証拠調を定めた趣旨ではない。本件において、原審はその証拠調の結果によるも上告人主張の如き慣習の存在を認めるに足る証拠がないと判断したのであつて、この点につき更に同条による鑑定ないし調査嘱託の措置を採らなかつたとしても、毫も所論の如き違法があるものということはできない。
(奥田 岸上 入山)